広島観光に行くなら「赤ヘル1975」を読んでから行ったほうが楽しいと思う

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こんにちは、シンです。
図書館通いを始めて4冊目に読んだ本、それが重松清さんの「赤ヘル1975」です。

赤は女の色、そしてカープは弱かった

この作品は「小説現代」で2011年8月号から2013年7月号まで連載され、2013年11月に大幅に加筆修正されて単行本として発売されました。内容は題名からも分かる通り、1975年に球団創立25年目にして初優勝した広島東洋カープが物語の基盤となっています。この本を読むとカープについて詳しくなれます笑

まずプロローグの出だし。

赤は女子の色だと思っていた。

重松清著. 赤ヘル1975. 講談社, 2013, P7

今ではカープの代名詞として当然の「赤ヘル」、実はこの年に生まれました。それ以前は紺色の帽子にヘルメットでした。そして当時は出だしに書かれている通り、「赤=女性の色」の印象が強くて男性が持つには恥ずかしく感じる色でした。当然選手やファンの間では衝撃的だったようです。
実は私も幼少期に似たような経験をしていて、兄の持ち物は青系なのに私は赤。きっと親からしたら男兄弟の末っ子がかわいくて赤にしたんでしょうが、私は「こんな女っぽい色、嫌だ!」と本当に思っていました。

そして第一章の出だしも短文で非常に分かりやすいです。

広島カープは弱かった。

重松清著. 赤ヘル1975. 講談社, 2013, P16

球団設立からたった一度だけ3位になっただけであとは常に最下位争い、特に1972~1974年にいたっては3年連続最下位でファンももはやそこが「定位置」と慣れてしまっていました。

私の記憶では「カープは強かった」

ポイントなのが過去形ってところですよね。弱かったのは昔のことなのです。
実際に1975年に初優勝してから1979年には初の日本一に輝き、翌1980年も日本一。1984年に3回目の日本一 (これ以降日本一から遠ざかっている)、1986年と1991年にセ・リーグ優勝です。優勝を逃した年も半分は2位でほとんどAクラスという成績でした。
だから1979年生まれの私にとっては正反対の「カープは強かった。」でした。

ここでも過去形なのは1991年の優勝から24年間、カープは優勝から遠のき、1998年からの15年間はずっとBクラスでした。昔のカープに戻ったように弱くなってしまいました。

私がカープファンになった理由

話はそれますが、私がカープファンになったのはこの弱かった時代、2009年です。
この年にホームスタジアムを市民球場からマツダスタジアムに移したのですが、同じくこの年に私が大好きなユニコーンが再結成し、マツダスタジアムの壁面にデカデカとユニコーンの広告が出たのです。それをどうしても見たくて初めて広島に行きました。

それまではまったく関心がありませんでした。東海圏で中日対広島のチケットはほぼタダ同然で配られるようなもので、お世辞にも人気があるなんて言えない状況でした。
それなのにこの看板見たさに行った広島で、私は見事にジャイアンツファンからカープファンに鞍替えしてしまいました。その理由として「ジャイアンツは勝って当たり前で負けると悔しい、でもカープなら負けて悔しくないことはないけど勝った時はめちゃくちゃ嬉しい!」と感じたからです。一生懸命プレーしてる選手には失礼な物言い、見逃してください。

「赤ヘル1975」にも同じような事が書かれています。東京から引っ越してきたジャイアンツファンのマナブに対して、ヤスとユキオがこのように話します。

「だいたい、わしゃあ巨人を応援する者の気が知れんのよ。のう、ユキオ」
「ほうよ、あがあな強いチーム、応援する甲斐がなかろうが」
「放っといても勝つ巨人を応援して、楽しいか?わしらが応援してやらんといけん思うけえ、がんばるんじゃろうが」
「勝っとる試合の応援しかできんのは、しょせんそこが知れとるわい」
「その点カープは違うどお。負けに年季が入っとる。たまに勝つけえ、うれしいんじゃ」

重松清著. 赤ヘル1975. 講談社, 2013, P84–85

強いカープ復活

私がカープファンになったのが2009年、この「赤ヘル1975」の連載が2011年から2013年。カープ二度目の暗黒時代の最中です。しかしこの作品が完結した2013年、カープは長く暗いトンネルから16年ぶりのAクラス入りによって脱出しました。

そして2016年に25年ぶりの優勝。その時のテレビ中継映像を写真に撮っていました。ここから2018年までセ・リーグ3連覇と、カープは二度目の黄金期を迎えました。

今また下降線を辿り始めているので、もしかしたら25年周期のトンネルに入ってしまったのかもしれません。今度のトンネルは短くありますように。

この本はカープのことだけではない

2016年の広島市民の熱狂ぶりもすごかったですが、きっと1975年はその比じゃなかったのでしょう。

と言うのも、この作品はそんな熱狂ぶりと対比するように原爆をはじめとする戦争被害によって終戦後30年経っても苦しんでいる人たちが描かれています。原爆の放射能を浴びて後遺症に苦しむ人、地獄の光景を目の当たりにして心的外傷で苦しむ人、空襲で酷い火傷や外傷を負い苦しむ人、大切な人を失って苦しむ人。この人たちはいくら30年経ったとしても決して癒えることのない深い傷を負っています。

だからこそカープの存在はどれだけ弱くても広島市民にとって光であり、1975年の優勝は戦後の長い苦しみから広島市民をようやく解放させてくれる出来事だったのでしょう。
カープという球団はこういう歴史を背負っているからこそ、広島市民に愛されているんですね。広島市に行くと本当に町中がカープなんです。

2016年優勝目前の広島市内にて

読んだらきっと広島が、カープが好きになる

本の感想と言うより自分のカープ遍歴みたいになってしまいました。でも結局のところ私なんかの「よそモン」には到底分かり得ないことがあります。
だけど間違いなく言えることは、
赤ヘル1975は面白い、そしてきっと広島が、カープが好きになる」
です。広島弁を喋りたくなる、も追加で笑
ちなみに本を読み終えて表紙の絵を見た時に私は泣きました。
よかったらぜひ読んでみてください。特にこれから広島観光を考えてる人なんかいいんじゃないでしょうか。一度広島に行ったことがある人なら、また広島に行きたくなるんじゃないかなと思います。
それでは皆さん、Have a nice day !