こんにちは、シンです。
昨年末にバードウォッチング目的で購入した双眼鏡、OM SYSTEMの8x40S。
会員価格&旧ブランド名 (OLYMPUS) によって1万円以下で購入できた製品です。しばらく使ってみての感想と、バードウォッチングにおける双眼鏡選びのポイントについてまとめてみます。
双眼鏡選びのポイント
バードウォッチングにおける倍率は「8倍」が基本
双眼鏡を選ぶ際に一番最初に気になるのが「倍率」です。高倍率であれば、それだけ遠くの鳥を大きく見ることができるますからね。でも倍率が高くなると視野は狭くなり、鳥を捉えることが難しくなります。せっかく視野に収められても手ブレの影響でまともに観察できません。そしてそのうち映像酔いに陥ります。
そこで初心者におすすめの倍率が8倍です。8倍であれば視野が広いので鳥を捉えやすくなりますし、手ブレの影響も減らせます。満足いくほどのサイズでは見られないかもしれませんが、高倍率双眼鏡で視野に収められないストレスと比べれば断然マシです。
慣れてきてから倍率10倍の双眼鏡に挑戦するのがいいかな、と思います。
レンズ径と倍率で決まる「ひとみ径」と「明るさ」
双眼鏡において明るく見える指標として使われるのが「ひとみ径」です。瞳孔径よりひとみ径が小さいと実際より暗く見える、ことになります。ひとみ径は「対物レンズ有効径 ÷ 倍率」で求められます。

ひとみ径の2乗で求められるのが双眼鏡の「明るさ」です。
- 明るさ4-9: 日中、明るいコンサート会場向け
- 明るさ9-25: 屋内、夕暮れ時の観劇・スポーツ観戦向け
- 明るさ25-49: 天体観測、夜間の観察向け
用途がバードウォッチングであれば明るさが9-25であることが目安かな?と思います。そうなるとひとみ径は3-5、倍率8倍であれば対物レンズは24-40mmあたりになります。倍率10倍であれば対物レンズは30-50mmあたりです。
ただ、実際の明るさについてはプリズムの配置やレンズコーティングによっても変わります。また、上の図の①と③の場合、③の方が明るく見えるなんてことはなく、どちらも同程度の明るさとなります。なので薄暗いところで使わない人ならば、それほどひとみ径が大きくなくても満足できると思います。
“鳥を見つける力”に直結する視野の広さ
双眼鏡選びではついつい倍率に意識が向きがちですが、高倍率の扱いにくさは先ほど書いた通りです。大きく見えることよりも鳥を視野にしっかり収められること、その点において「視野の広さ」は初心者にとって最重要ポイントと言っても良いでしょう。
双眼鏡のスペックを見ると「実視界」や「見かけ視界」という言葉が出てきます。最初は何のことか分からなかったのですが、バードウォッチングではこの2つがとても大事だと感じました。特に、鳥を探すときの“見つけやすさ”に直結します。

実視界とは?
双眼鏡をのぞいたときに、実際にどれくらいの範囲が見えるかを示す角度のことです。例えば「実視界 8.2°」と書かれていたら、双眼鏡をのぞいたときに 左右 (上下) 8.2°の範囲が見えているという意味です。
ただ角度で言われてもイメージが湧かないので、メーカーのスペックではよく「1000mにおける視界」と言う表現もされます。実視界8.2°であれば1000mにおける視界は143mです。双眼鏡をのぞいて1km先の143mの長さ (高さ) のものが視野にちょうど収まる、と言った具合です。
見かけ視界とは?
見かけ視界とは双眼鏡をのぞいたときに感じる“広がり感”を表す指標です。実視界と倍率を掛け合わせて「体感的な広さ」を表したのが見かけ視界です。先ほどの実視界8.2°の双眼鏡では1000m先の高さ143mのビルが視野に収まりました。この双眼鏡の倍率が8倍だったとするとビルから125mの地点で143mのビルが視界に収まる角度、これが見かけ視界です。この例での双眼鏡の見かけ視界は59.7°になります。
バードウォッチングにおいてはこの見かけ視界60°以上が扱いやすい双眼鏡として推奨されています。
(メガネ使用者は最重要な)アイレリーフ
対物レンズ、接眼レンズを通った光はある点で収束し、そこが最も見やすい位置となります。その位置と接眼レンズまでの距離をアイレリーフと言います。

裸眼で不自由なく生活できる人にとっては大して気にしなくてもいいスペックですが、メガネをかけてる人には最重要とも言えるのがこのアイレリーフです。メガネをかけているとその分接眼レンズが目から離れるため視野周囲が黒く欠けてしまいます。
メガネをかけてる人はアイレリーフ15mm以上と言われていますが、実際は17mm以上あったほうが安心できます。
重さは長時間の観察に影響
より明るく広い視野で見たいから大口径の双眼鏡にするというのは間違いではありませんが、基本的に対物レンズが大きくなるほどサイズも大きくなり、重量も増します。重たいと疲れてくるので長い時間観察するには大きなハンデとなります。
OM SYSTEM 8×40S を使ってみた感想
ここからは、私が実際に使っている OM SYSTEM 8×40S のレビューです。実は先ほどのスペックの値はこの双眼鏡のものだったりします。

良かったところ
視野が広い
実視界8.2°、見かけ視界59.7°、1000mにおける視界143mはなかなかと開放感のある視野です。鳥を見つけて双眼鏡をのぞくと大抵視野の中に鳥を捉えることができ、小枝をちょこまか移動しても見失いません。
明るくて見やすい
対物レンズ40mmもあるのでひとみ径は5mm、明るさは25で、十分な明るさがあります。よほど暗いところでない限り、肉眼で見るのと同等の明るさで見ることができます。また方式が直線的なダハプリズムではなく、ポロプリズムなので左右の対物レンズの距離が保たれ、より立体的に見ることができます。
気になったところ
715gは重たい
首からぶら下げて歩いていると疲れます。リュックに入れても分かりやすくずっしり感があります。長時間になると厳しいですね。基本的にはあまり移動しない環境での使用が良さそうで、荷物を少しでも軽くしたい登山には持って行く気にはなれません。
アイレリーフの短さ
OM SYSTEM 8×40 S の短所で致命的 (メガネ使用者にとって) とも言えるのが12mmというアイレリーフの短さです。メガネ使用者はゴム性のアイカップを折り返して使ってくださいと説明書に書かれていますが、折り返したままではキャップも装着できず不便です。そして私のようなド近視で分厚いメガネレンズの場合は折り返したとしても多少ケラレが生じてストレスに感じます。
じゃあ裸眼で使えばいいじゃんと思うかもしれませんが、
- メガネをかけた状態で鳥を見つける
- メガネを外す
- 双眼鏡を構える
この間に鳥を見失います。また強度の近視で裸眼で双眼鏡をのぞくとピント調節しても遠くはぼやけます。やはりメガネを装着した状態で使うのが基本になります。
OM SYSTEM 8×40S はコスパ良し、ただし裸眼の人向け
OM SYSTEM 8×40S は、視野の広さ、明るさにおいてはコスパ以上の良さを感じました。ただ重いと持ち出すにも覚悟を要して気楽さはありません。そこをどれくらい割り切れるかですね。そしてメガネ使用者には致命的なアイレリーフの短さ。「裸眼で使うなら最高にコスパの良い広視野モデル」 ですがメガネ使用者には「見えないわけではないけれど、快適とは言えない」というのが正直な感想です。
バードウォッチング初心者が使うのに良さそうな双眼鏡
この経験をもとにバードウォッチングをこれから始めよう、という (メガネが外せない) 人にオススメするのは、
- アイレリーフが最低15mm以上であること
- 軽量性と視野の広さ・明るさのバランスが取れたもの
この条件を満たすものがいいと思いますが、十分なアイレリーフは絶対条件と言っていいでしょう。そして倍率は欲張らずに8倍。10倍でも使ってみると結構手ブレが気になります。
対物レンズ径が大きい方が基本的には広視野ですが、30mmでも見かけ視界60°ほどの製品もあります。薄暗いところで使わないのであれば40-50mmの重量級の双眼鏡よりも30mmでも十分な明るさがあると思います。
以上からアイレリーフ15mm以上、見かけ視界60°以上、対物レンズ30mm、倍率8倍。この辺りが初心者にとって無難な双眼鏡と言えるのではないでしょうか。実際これは日本野鳥の会が推奨するスペックまんまなんですが汗
私は初めそんなこと知らなくて、使ってみた結果そこに辿り着きました。先に知っとけば良かった。で、このスペックで探してみるとかなり絞り込まれますので、あとはどれだけお金が出せるか、ってところです。ああ、私も欲しくなってきた・・・
それでは皆さん、Have a nice day !